東京電力福島第一原発事故から14年が経過し、あの日に始まったできごとが風化し始めています。また、当時のことを知らない世代も増えています。
原子力市民委員会(CCNE)は2013年に発足以来、原発のない社会をめざして政策提言をおこなうシンクタンクとして、『原発ゼロ社会への道』シリーズなど、多くの情報を発信してきました。
しかし、原発問題では「わかりやすく伝える」ことがいつも課題でした。
原発やエネルギーの問題に関心がある人には、重要な情報を届けることができたかもしれません。でも、原発の問題に距離を置いてしまう人や、当時のことを知らない世代にまで、十分に伝わるような発信はできてきませんでした。
福島原発事故の風化が進み、政府は「原発を最大限活用」していく方針へと舵をきりました。その結果、地震で被災した原発や、老朽化した原発が各地で動き始めています。
今あらためて、福島原発事故とは何だったのか、そして原発のない社会が実現可能であることについて、多くの人が考えるきっかけとなる「わかりやすい情報の拠点づくり」にチャレンジしたいと考えています。
2025-07-09 11:12
委員の武藤類子さんからのメッセージです。
武藤類子さんは設立当初から、委員やアドバイザーとして、原子力市民委員会の「道しるべ」となって取り組みを支えてくださっています。原子力市民委員会では、日本で原発ゼロ社会を実現するにあたって、福島原発事故の被災地の対策、そして被害者の支援が最優先課題であると考え、「福島原発事故部会」を第1部会としています。事故はまったく終わっておらず、つくられた「風化」にあらがう活動はこれからも続きます。
専門的な知識を持っていない原発事故の被害者の一人として、原子力市民委員会に委員として関わることで思い続けてきたことは、委員会で繰り広げられるとても有意義な議論や知識を被害者にどう伝え、被害に対峙する力として活用して貰えるかという事でした。
今も被害に苦しむ人や、再稼働する原発に不安を持つ人、原発事故を知らない若い世代の方々にとって、WEBサイトやパンフレットを見てもらうことで原発問題への知識や、何かしたいと思った時の行動につながる情報を得られることは、とても重要なことだと思います。

そのためには魅力的なサイトでなければなりません。沢山の方が気軽に訪れて知識や情報を手に入れ、自分の場所で元気に行動していけるようなWEBサイト創り、そしてパンフレット創りに是非ご協力をお願いします。