東京電力福島第一原発事故から14年が経過し、あの日に始まったできごとが風化し始めています。また、当時のことを知らない世代も増えています。
原子力市民委員会(CCNE)は2013年に発足以来、原発のない社会をめざして政策提言をおこなうシンクタンクとして、『原発ゼロ社会への道』シリーズなど、多くの情報を発信してきました。
しかし、原発問題では「わかりやすく伝える」ことがいつも課題でした。
原発やエネルギーの問題に関心がある人には、重要な情報を届けることができたかもしれません。でも、原発の問題に距離を置いてしまう人や、当時のことを知らない世代にまで、十分に伝わるような発信はできてきませんでした。
福島原発事故の風化が進み、政府は「原発を最大限活用」していく方針へと舵をきりました。その結果、地震で被災した原発や、老朽化した原発が各地で動き始めています。
今あらためて、福島原発事故とは何だったのか、そして原発のない社会が実現可能であることについて、多くの人が考えるきっかけとなる「わかりやすい情報の拠点づくり」にチャレンジしたいと考えています。
2025-07-14 09:50
アイリーン・美緒子・スミスさんの応援メッセージ「今、なぜ原子力市民委員会(CCNE)が必要なのか」
日本の公害の歴史を振り返るとき、弱者の側に立って闘うアイリーン・美緒子・スミスさんの姿があります。原子力市民委員会のアドバイザーとして、発足時から、ここぞというときに助言をくれるのもアイリーンさんです。アイリーンさんの「水俣と福島に共通する「10の手口」 」は、今こそ多くの方に知ってほしいです。メッセージの下にインタビュー記事のリンクをご紹介します。ぜひご覧ください。
今、なぜ原子力市民委員会(CCNE)が必要なのか。
日本社会において、そして国際社会が日本について知るための情報源として、原子力市民委員会がもっと広く知られることが重要です。
今まさに始まっている画期的な変化の時代において、きわめて重要な役割を果たすことになるのは、市民の取り組みです。私たちは気候変動の問題、地震など自然災害の脅威、核兵器拡散への懸念、そして私たちの環境と経済に壊滅的な影響を及ぼしかねない原発事故の危険性に取り組まなければなりません。いま求められているのは、対話と行動です。そのためには、調査研究とその成果の発信、そして必要な変化を起こし、実行するための市民による活動が欠かせません。

原子力市民委員会は、シンクタンクとしての機能、そして社会問題に取り組む市民科学としての専門性をあわせ持ち、自然科学と社会科学、特に経済学の融合を実現したユニークな存在であり、この困難な時代において重要な役割を果たすことになるでしょう。
私はCCNEを応援します。そして、皆さまにもぜひ応援していただきたいと思っています。
事務局:アイリーンさんの水俣と福島に共通する「10の手口」は下記の記事の後半に掲載されています。生協パルシステムの情報メディア「KOKOCARA」