東京電力福島第一原発事故から14年が経過し、あの日に始まったできごとが風化し始めています。また、当時のことを知らない世代も増えています。
原子力市民委員会(CCNE)は2013年に発足以来、原発のない社会をめざして政策提言をおこなうシンクタンクとして、『原発ゼロ社会への道』シリーズなど、多くの情報を発信してきました。
しかし、原発問題では「わかりやすく伝える」ことがいつも課題でした。
原発やエネルギーの問題に関心がある人には、重要な情報を届けることができたかもしれません。でも、原発の問題に距離を置いてしまう人や、当時のことを知らない世代にまで、十分に伝わるような発信はできてきませんでした。
福島原発事故の風化が進み、政府は「原発を最大限活用」していく方針へと舵をきりました。その結果、地震で被災した原発や、老朽化した原発が各地で動き始めています。
今あらためて、福島原発事故とは何だったのか、そして原発のない社会が実現可能であることについて、多くの人が考えるきっかけとなる「わかりやすい情報の拠点づくり」にチャレンジしたいと考えています。
2025-07-20 15:05
委員の吉田明子さんからのメッセージです
国際環境NGO FoE Japanで気候変動や原発、「パワーシフト・キャンペーン」を担当する吉田明子さんは、3.11以降、エネルギー問題に取り組む市民団体間、研究者や市民の連携をうながす縁の下の力持ちのような存在です。若者団体と連携する「ワタシのミライ」の運営を通じて、世代間を超えた取り組みもリードされています。CCNEもともに横のつながりを広げていきたいと思っています。
原子力市民委員会には、2014年の設立時から部会メンバーとして参加し、2024年より政策調査部会の共同部会長をさせていただいています。
政策調査部会では、エネルギー政策の現状と課題を共有し、必要に応じて具体的なアクションに結びつけています。会合の中から多くのアイディアが生まれ、声明やレポート、緊急の記者会見などを実施してきました。

国政選挙前の各党への申し入れや、エネルギー政策への働きかけアクションなども、他の市民ネットワークとも連携しながら行っています。
原発事故から15年に向かおうとしている今、わかりやすい情報の蓄積と伝達は課題です。原子力市民委員会の役割は大きいと思います。