東京電力福島第一原発事故から14年が経過し、あの日に始まったできごとが風化し始めています。また、当時のことを知らない世代も増えています。
原子力市民委員会(CCNE)は2013年に発足以来、原発のない社会をめざして政策提言をおこなうシンクタンクとして、『原発ゼロ社会への道』シリーズなど、多くの情報を発信してきました。
しかし、原発問題では「わかりやすく伝える」ことがいつも課題でした。
原発やエネルギーの問題に関心がある人には、重要な情報を届けることができたかもしれません。でも、原発の問題に距離を置いてしまう人や、当時のことを知らない世代にまで、十分に伝わるような発信はできてきませんでした。
福島原発事故の風化が進み、政府は「原発を最大限活用」していく方針へと舵をきりました。その結果、地震で被災した原発や、老朽化した原発が各地で動き始めています。
今あらためて、福島原発事故とは何だったのか、そして原発のない社会が実現可能であることについて、多くの人が考えるきっかけとなる「わかりやすい情報の拠点づくり」にチャレンジしたいと考えています。
2025-07-22 14:32
飯田哲也さんから応援メッセージをいただきました。
ISEP(環境エネルギー政策研究所)の所長として、飯田哲也さんが長年切り拓いてこられたエネルギー転換への道は、各地の地域電力というかたちで多くの実を結んでいます。原子力が再エネ導入をむしろ阻害しているのが現状ですので、地域に根差した、自然破壊型でない再エネ100%を目指して、ますます連携をしていかれれば幸いです。

かつて原子力に関わった者として、そして今は、その原子力に急速に取って代わりつつある再生可能エネルギーの専門家かつ実践者として、原子力市民委員会の粘り強く誠実な活動に心より敬意を表します。
福島原発事故の教訓はいまだ現在進行形であり、あのような事故を二度と繰り返さないためにも、原発を確実に終わらせ、民主的で地域自立的な新しいエネルギー社会を築いていく必要があります。
そのためには、科学的知見と市民社会の視点をつなぐ原子力市民委員会の役割が一層重要になっています。そしてその活動を広く支えるためにも、「わかりやすい情報拠点づくり」は不可欠な基盤だと考えます。
脱原発と持続可能な未来の実現に向けて、共に歩んでまいりましょう。