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2025-09-26 21:42
【名前変えたら、すぐおいで】嬉しかったはなし。Byひろ

僕は20代から月経困難症持ちで、時折婦人科にお世話になっている。
PMS(月経前症候群)による胃もたれや吐き気と、メンタルのキツめの落ち込みがしんどくて、低用量ピルを飲んでいたことも。
最近の体調を見つつまたちょっと行っておこうかなぁと、知り合いの先生がいる婦人科に赴いた。
以前のところは女性限定を標榜した婦人科オンリーのクリニックだったけど、今回は他の科もいくつかある町のお医者さんだったので行きやすかった。
いけるかな?と通称名で問診票を書いて、素知らぬ顔で渡したら、先生が知り合いだったのもあるのか、診察券を通称名で作ってくれた。
呼び出しが苗字だけだったのもありがたいな。
こういう一つ一つが、ちょっとずつ緊張感を和らげてくれる。
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検査を終え、疑問も「なんでも聞いてね」と言ってもらって、気になることも気兼ねなく尋ねられた。
自分の体のことについて、性別違和が当然の前提でありながら気兼ねなく先生に聞けるってなんて気が楽なんだろう。
診察後にまた部屋に呼ばれて、なんだろうと思っていたら、保険診療に関わる書類や処方箋が保険証の名前に則って作成されるため、戸籍名になってしまう旨を丁寧に説明してくれた。
もともと知っていたことなので問題ないと返事をすると、今後家裁で名前を変える予定はある?と尋ねられた。
はい、あります。と答えると、
「名前変えたらすぐおいで。
診察ない時でももちろんいいから。教えてね。」
って。
すぐに記載の名前を変えてくれようとしている。
なんだかその気持ちがすごく嬉しかった。
通称名が印刷され、性別欄が空欄の診察券に目を落とす。
僕の当たり前が、こうやってかたちになることは、「この自分で生きている、生きていい」という暮らしの実感を支えてくれる。
この「当たり前」がなかなか得られないことに声を上げ続けながらも、当たり前を得られた時はちゃんとその実感を染み込ませたい。
ささやかで切実で、大切なことだから。
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