世界防災フォーラムについて
2年に一回仙台市で行われる世界防災フォーラムは、2015年の国連防災世界会議がきっかけで始まりました。東日本大震災の経験や学びを世界に発信し、さらに、復興した東北の姿を世界にアピールすることで恩返しがしたい。そんな経緯で始まりました。
防災を議論する国際会議は、国連主導のもの、学会など様々なものがありますが、市民や民間企業も一堂に会して、議論する場はいままでありませんでした。世界防災フォーラムは、多様な人々が防災について議論し、世界に情報発信していく場となることを目指しています。世界防災フォーラムという名前も将来、「世界経済フォーラム」のように防災の世界でオピニオンリーダーとなることを願って付けられた名前なのです。
世界防災フォーラム2025
次回、世界防災フォーラム2025は、2025年3月7日〜9日にかけて、宮城県仙台市 仙台国際センターで開催します。テーマは「どうするキコヘン」。今、防災を考える上で待ったなしの課題である気候変動をテーマに熱い議論が繰り広げられます。さらに、東日本大震災を題材にした映画、「生きる 大川小学校 津波裁判を闘った人たち」、「漂流ポスト」、「ただいま、つなかん」の自主上映、東松島のおのくんプロジェクトとのコラボ「防災×帽祭」などすべての方が学べるイベントも実施します。防災の専門家だけではなく、学生さんや市民の皆さまどなたでもご参加いただけますので、ぜひ仙台にお越しください。一緒に防災について考えていきましょう!
防災がなぜ大切なのか?
事前防災によって、多くの命が救われ、また経済的な被害も少なくなり、それが事後の復興を容易にします。1ドルの事前防災投資で15ドルの復興費用を、1ドルのインフラ強靭化で4ドルの再建事業を削減できるという報告があります(JICAホームページより)。EUも1ドルの投資で4ドルかそれ以上の事後の対応費用の削減につながると指摘しています。しかしながら途上国をはじめとして、防災が必ずしも世界に浸透しているとはいえません。貧困層は一旦災害の被害を受けると、そのダメージで二度と元の生活に戻れないことすらあります。貧困や難民問題のそもそもの根源は災害(自然災害だけでなく、紛争などの人災も含む)にあると言っても過言ではないのです。
前回の世界防災フォーラムについて
前回、第3回世界防災フォーラムは今まで以上に多様なセッションが開催されました。SDGsへの関心の高まりからインクルージョン、ジェンダーなどの側面から防災を捉えたセッションが多く開催され、女性の参加や高校生も含む若い世代が企画したセッションが目立ちました。また、新しい試みとして、防災に貢献した方を表彰しました。100年前の関東大震災の際に日本を援助した米国第30代大統領カルバン・クーリッジ氏と、資金不足や厳しい逆風の中普代水門を作った岩手県普代村の元村長和村幸得氏です。
最終日の閉会の際には、仙台防災枠組の進捗を願い、防災を進めるための提言を国連事務総長特別代表(防災担当)兼. 国連国際防災戦略事務局 (UNISDR) ヘッド(当時)である水鳥真美氏に手渡しました。
実施期間 | 2023年3月10日(金曜日)~12日(日曜日) |
参加国 | 39カ国 |
参加者 | 会議登録者1300名(3日間延べ参加者5400名) |
発表数 | 口頭セッション30、ポスター発表55、展示ブース33、ミニプレゼンテーション30 |
参考URL | https://worldbosaiforum.com/20... |
代表者メッセージ
私が世界防災フォーラムを立ち上げたきっかけは、東日本大震災の被害を目の当たりにしたことでした。
私は当時バンコクの国連機関で国際防災の仕事をしており、東北にはおりませんでした。しかし、次々と入ってくる被害の惨状、防災先進国の日本でこんな悲しいことが起こっていいものか、と思わず耳を疑いました。帰国し陸前高田市でボランティアに従事後、東北大学に新しい職を得て、2017年に「世界防災フォーラム」という市民参加型の防災の国際会議を立ち上げました
この「世界防災フォーラム」ですが、継続していくために資金的には非常に厳しいものがあり、企業様や参加者の皆さんの参加費等だけでは会議の継続が危ぶまれている状況です。「災害で苦しむ人をなくす」「東北から防災を世界に」という趣旨にご賛同いただき、どうかご寄付を頂ければと思います。
寄付金の使い道について
今回のご寄付は、主に世界防災フォーラムの開催運営経費とさせていただきます。主な費用項目は以下となります。他に参加費や出展費用で不足する会場費等にも充当する予定です。
繰り返し書かせていただいているとおり、防災を世界につたえ、事前防災投資に目を向け、実行してもらうことは、事後に支出するよりもおおきな効果があります。皆さまのご寄付で会議を実行し、世界、特に途上国に防災をつたえることは、皆様の大切なお金もその額面以上の価値を生み出すということになります。私達の活動、「防災を世界に伝える」は明確に数値になり難い目標でありますが、「伝える」ことで多くの人を救えると信じて活動しています。どうかご支援くださるよう、よろしくお願い申し上げます。