こんにちは。パルシックレバノン事務所のアンソニーです。ありがたいことに、現時点で目標の87%を達成しました!私たちのプロジェクトに賛同いただき、本当にありがとうございます。
今回は、レバノンが直面する問題と難民の人びとへの影響についてお伝えしたいと思います。
レバノンでは2025年に多くの変化がありましたが、現在も引き続き、様々な問題に直面しています。イスラエルとの戦闘は2024年11月に終結したものの、現在の状況は、見せかけの安定です。レバノンでは2025年1月に約2年間空席だった大統領が選出され、2月に内閣が発足しましたが、状況は依然として不安定なままです。新政権発足にもかかわらず、国家は十分に統治能力を行使できていません。
武装解除を求めるレバノン政府とイスラエルに対してヒズボラは武器の放棄を拒否しており、イスラエルはレバノン南部への攻撃を継続しています。首都ベイルート南部の郊外も、ドローンミサイルの標的となり続けている状況です。

経済は貧富の差を拡大して人びとを分断し、国民の75%が貧困状態にあります。銀行は720億ドルの損失にもかかわらず業務は継続していますが、預金をしていた人びとが引き出せる額は月400ドルに制限されています。
冬季の豪雨により幹線道路や生活道路が大規模な洪水に見舞われる中、インフラの劣化は進行し続けています。他方、レバノンは散発的に豪雨に襲われるものの年間降水量は少なく、干ばつが今後も続くと予想されています。現在、ベイルートの一般住宅には2日に1度しか給水がなく、電力も1日4時間供給されるだけです。不足分は個人で補わねばならず、人びとは業者に注文して給水トラックを呼んで貯水タンクに給水し、近所で発電機を持っている人から電力を購入しています。

レバノンで暮らす難民にとっては、状況はさらに深刻です。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は2025年11月に病院への補助金を全額削減せざるを得なくなり、現金で支払えない限り難民の人びとは医療を受けられなくなってしまいました。さらに、厳しい居住要件により、IDがないなどの理由で何千人もの子どもたちが学校に通えなくなっています。
レバノンへの国際支援が縮小し続ける中、シリア難民の人びとは、排他的で厳しい政策を続けるレバノンに留まるか、崩壊した故郷に戻るかという困難な選択を迫られ続けています。

間もなく新年を迎えますが、イスラエルとの新たな戦闘を懸念する声が多く、政治的緊張も続いています。レバノン政府とイスラエル政府の直接対話の結果がどうなるかは、依然として不透明なままです。
現時点では、新年にかけて状況が劇的に改善することはなかなか想像ができません。しかし、事態打開に向けたプロセスを開始する取り組みが進められているのも事実です。これらの取り組みの結果がどうなるかはまだ不透明ですが、私たちは状況が好転することを期待しています。そして、この困難な時期に最も支援を必要とする人びとを支えるため、私たちは最善を尽くしていきます。

