パルシックレバノン事務所の土橋です。平和を祈る年明けとなりましたが、皆さまが穏やかに新年を迎えられていますように。本年もどうぞよろしくお願い致します。
クラウドファンディングは、皆さまからの温かいサポートにより現時点で目標の128%の896,000円を達成することができました。お寄せいただいた応援コメントからも勇気をいただいています。
今回は、レバノンからシリアに帰還した子どもたちのその後と現地の教育事情についてお伝えしたいと思います。
パルシックは、昨年2025年8月まで、レバノン北東部アルサール市に住むシリア難民の子どもたち5年間にわたって教育活動を行いました。約1年前の一昨年12月にシリアでアサド独裁政権が崩壊し、内戦が終結して以降、アルサール市の学校に通っていた子どもたちの多くはシリアに帰還しました。子どもたちは出身地である、レバノンに隣接するホムス県のアル・クサイール市とダマスカス郊外県のカラムーン地域を中心に帰還しています。

アル・クサイールとカラムーンは、内戦中の2013年から2014年にかけて激しい戦闘の舞台となり、家屋のほか、学校や病院などの公共インフラ施設の多くも攻撃の対象となりました。

内戦が終わって以降、治安は比較的安定しているアル・クサイールですが、住居だけではなく、生活に必要な水や電気、ガスといった基本的なサービスもいまだに十分に機能していません。破壊された建物の瓦礫撤去も大きな課題の1つです。
そのような状況の中で、アルサール市(レバノン)の学校に通っていた子どもたちが、帰還先のシリアで今も学び続けられているのか、その後が気がかりだったため、私たちはアル・クサイールに帰還した先生に連絡をとることにしました。
帰還した子どもたち一人一人のその後を追うことは非常に難しい状況ですが、先生の話によると、現在、子どもたちはアル・クサイールの地元の公立学校に通っているとのことです。しかし、写真のように破壊された学校も多く、学齢期の子どもの人数に対して、機能している学校の数が極端に少ないのが現状とのこと。

そのため、全ての学校が午前と午後のダブルシフトのフル回転で、1クラスに60人近くの子どもたちがいる学校もあるそうです。教科書などの教材や机や椅子も足りていないため、床に座って授業を受ける子どもたちもいます。


「一人一人が平等な機会を得られるように、子どもたちにはよい教育を受けさせてあげたい。」
「子どもたちがシリアに誇りを持ち、平和と発展に向かって国の再建に貢献してくれることを祈っている。」
先生の言葉から、教育の重要性と未来を担う子どもたちへの切なる願いを感じました。

厳しい環境にありながらも、子どもたちもふるさとに戻れた喜びを口にしていることも知りました。写真からも子どもたちの生き生きとした様子が伝わってきます。
私たちはいま、大きな転換期を迎えたシリアと、シリア難民の人びととともにできることを問われているのを強く感じながら、活動を続けています。子どもたちが希望を持ち続けられる、そして人びとが安心して暮らせるため社会に向かって前進していく決意を新たにした年明けとなりました。

