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NPOの資金調達にはどんな種類があるの?おすすめの方法は?
みなさんこんにちは、リタワークスインターンの森口です。
NPOが活動するためには、人件費、事業経費、家賃・光熱費、通信費、事務費関係、旅費交通費、雑費、広告宣伝費、税金など多額の経費が必要となります。
資本が少なく、収益事業をするのが難しいNPOにとって『資金調達』や『経費削減』は常に頭を悩ます問題だと思います。
このコラムでは、NPOの団体運営を安定化させる方法をご紹介していきます!
NPOの資金源は大きく分けて3つあります。
寄付・会費
寄付・会費は、団体の活動や理念に共感して支払われる金銭です。寄付者に対する説明責任はありますが、使途が自由なことが特徴です。
寄付は主に活動に対して寄せられますが、会費の多くは団体に対する支援です。
事業収入
NPOは非営利組織とはいえ、事業で収益を出してはいけないということではありません。
例えば、就労支援施設の運営をしているNPOや、障害者や高齢者の仕事づくりをしているNPOでは、売上が発生する場合もあります。
NPOのような非営利組織では、このように利益を上げても、その利益を会員などには配分せずに、社会貢献活動に還元していきます。
なので、自団体の活動に充てる分には、事業収入としての利益も資金源の一つとなります。
助成金・補助金
助成金や補助金は、行政や民間の基金や財団が審査を行い、条件を満たした団体に提供する資金のことであり、寄付と同様に返済は不要です。
助成金と補助金はしっかりとした定義があるわけではなく、ほとんど同じ意味で使われていますが、
一般的に以下のような使い分けをされています。
助成金は、一定の条件を満たせば支給される可能性が高いものであり、
補助金は、期間内に応募して審査を通過すると支給されるという特徴があります。
NPOの資金源についての詳しい情報はこちらの記事をご覧ください。
寄付や会費からの収益に多くを頼っているNPOの場合、できるだけコストを抑え、いかに事業資金に回せるかどうかが重要になります。
では、運営経費を抑え、安定的な団体運営をするためにはどのようにすればいいのでしょうか?
ここでのリソースとは、ヒト・モノ・カネといった運営にまつわる資源のことを指します。今あるリソースで効率よく運営する方法とは簡単にいうと『無駄をなくすこと』です。
では具体的にご説明します。
印刷代などの消耗品を見直す
経費削減でよく挙げられるのが消耗品の節約です。
1つ1つのコストは小さいですが、意外と多くの無駄を出しています。そしてこれらを無くしていくことで、それなりのコストカットとなるのです。
今回は、印刷代のコストカットを例としてご説明します。
カラーとモノクロでは1枚当たり約10円の違いがあります。
カラー印刷はイベントやセミナー用の資料での利用に止め、組織内での会議資料などはモノクロ印刷を徹底します。
モノクロ印刷では少し物足りなさや見づらさを感じてしまう場合には、2色印刷機能(モノカラ―)を使いましょう。
2色印刷でも1枚当たり約5円の節約になるので、非常におすすめです。
また、インクの消費量は設定を調整することで寿命を長くすることができます。
「きれい」ではなく、「はやい」を選択し、印刷コストを抑えます。
印刷コストは印刷した紙の枚数に比例して増加します。
これまで片面印刷をしていたのであれば、両面印刷に替えることで紙資源の節約になります。それ以上に効果的なのはA4用紙1枚に2枚分、もしくは4枚分といったように複数のページを1枚で印刷することです。
しかし、コピー用紙のコストよりもインクを含めたコピー機の使用コストの方が高いため、なるべくコピー機を使用しない方法を考えることが一番のコスト削減につながりそうです。
このように、印刷ひとつとっても工夫することによって色んな無駄を省くことができます、
地道な作業ですが、継続することによって必ず結果に繋がります。
利用しているサービス(有料、無料問わず)を見直す
ホームページ運営や求人募集などのサービスを導入しているならば、
そのサービスが本当に必要なのか?
無料のサービスに置き換えられないか?を検討しましょう。
例として、有料の求人サービスを使用している団体の場合は、
本当にこのサービスが必要なのか?
コスト分の効果を出せているのか?を今一度考えてみることが大切です。
求人サービスを利用することは一定の効果が見込めるかもしれませんが、やみくもにお金を払い続けることは無駄な出費ともなり得ます。
また、有料サービスを利用するのではなく、公共施設や地域のお店や自治会に協力してもらい、無料で求人のビラを貼ってもらうという方法もあります。
特に学生ボランティアやアルバイトの募集で若者を集めたいのであれば、
近隣の高校・大学などの教育機関に求人のビラを置いてもらうと効果的です。
ネットから求人をするのであれば、求人サービスを利用するのではなく、
団体のホームページに求人ページを設置するという方法もあります。
これで求人にかかる費用は節約できますし、ホームページならいつでも編集できるので、イベント開催に向けた求人などその時々に合わせた求人情報を掲載することが可能です。
人手が少ないNPO業界。
色々な作業が積み重なりなかなか『社会問題を解決する仕事』『活動を発展させる仕事』まで手がつけられない。
かといって、新しい人を雇える資金があるわけでもない…。
こんなリソース不足で悩んでいませんか?解決策の具体例をご紹介します。
必要な人材を集め、個性を生かす
ボランティアスタッフだけで運営している団体であれ、ボランティアスタッフと有給スタッフの両方で構成されている団体であれ、スタッフの方々に主体的に活動に携わってもらうことが重要です。
「ボランティアにこれ以上の業務をさせるのはよくない!」と思って、簡単で単調な仕事ばかりやらせてしまう。このような状況だと意欲的だったボランティアさんの気勢を削ぐことになりかねません。
例えば、ITに知見のある人が不足している団体であれば、
パソコンが得意な人を募集するなど団体として足りていない能力を提供してくれる人材を探します。
専門的な知識を活かしてボランティア活動を行う『プロボノ』の記事はこちら
ボランティアはボランティア、アルバイトはアルバイトといった考え方ではなく、個人の能力や興味を尊重して、より良い団体運営ができるような仕組みづくりするよう心掛けましょう。
無償で携わってもらう分、ボランティアさんが居心地のいい環境を作ってあげることは最低限必要です。
資金調達に力を入れる
継続的な運営をしていくためには、節約や経費削減をしてどれだけ支出を減らしても、 やはり資金を増やすことも大切です。
非営利活動では予算の1/3を寄付・会費、1/3を事業収入、1/3を助成金・補助金で構成すると財政が安定すると言われています。
ただ、寄付や会費が資金源の大部分を占めているという団体も多いとおもいます。
寄付は待っているだけでは、集まりません。
「NPOがお金に困っていることぐらいみんなわかるだろう。」と思われているかもしれませんが、世の中の多くの人はなんとなくは理解していても、そのなんとなくの状態では寄付など具体的な行動を起こさないことがほとんどです。
なので、寄付を集めるために情報発信と、寄付しやすい仕組みを整えることが大切になります。
ホームページからブログを書いたり、SNSで活動報告をしたり、
ネットからも寄付できるようにクレジットカード決済窓口を用意するなど、寄付を募る努力が必要となるのです。
今回はNPOの運営を安定させるためのポイントを書かせていただきました。
多くのNPOではすでに経費をできる限り抑えようと努力されていると思います。
人材や資金が思うように集まらないNPOにおいて、経費削減や節約によって達成すべきゴールは団体の本質的活動に最大限リソースを注入できる環境を作ることだと思います。
今回ご説明したように工夫次第では解決できるところと、工夫では限界のあるところを明確にして、団体運営を考えて頂ければと思います。
(執筆者 森口 順耶)
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