寄付DXシステムのコングラント、サービス開始から7周年を迎えました
みなさん、こんにちは!
リタワークスのインターン、アリシアです!
今回のコラムでは、インパクトのあるビジネスモデルを持つNPOのご紹介をします。そして、最近注目を集めている「ソーシャルビジネス」という新しいビジネスモデルについてもご紹介します!
▽目次
NPO法人と一般企業はどう違うのでしょうか?
企業は自分たちの利益を最大限にするために活動をしていますが、NPOは逆に自分たちの利益を目的とせず、社会的な課題を解決するための活動をしています。
「営利」を目的とする企業にとって、「営利」を目的としないNPOは異世界だと思われているかもしれません。
ところが、企業とNPOにも共通点があります。
NPOについてのよくある誤解として、団体のすべてのお金が社会問題を解決するための活動に当てられるべきであるというものがあります。
NPOも企業と同じようにスタッフがいて、団体そのものを運営する時間と費用も発生します。NPOといえば、「お金の使い道はひとつ!」というイメージがありますが、このように社会貢献活動を達成する以外にもお金が必要になります。
NPOと企業ではどちらを運営するのが、良いのか?
NPOを運営することにはいくつかのメリットがあります。
NPOの場合、設立する時の必要な資本金は安いもしくはタダで、特に海外で活躍する団体なら、国や行政のサポートを得やすいです。世界の社会問題に取り組む活動をするのであれば、比較的簡単にNPOを設立することができます。
また、支援者からもらう寄付や会費、補助金などに対しても、NPOであるなら税金を課せられません。
そして、設立の認証は3ヶ月以内でもらえますので、短い期間で設立することができます。
しかし、一番のメリットは「行政や企業ができないような公益性のある事業を通じて、社会に貢献できている」ということを実感できることではないでしょうか?
同時にNPOは収益事業を行うこともできるので、それらも上手に運営をすることができたら、企業にとってもお手本となるようなビジネスモデルに成り得ます。
https://lavamae.org/
「Lava Maeha」は2013年に設立されたアメリカのNPOです。古いバスの中をシャワーとトイレのあるバスルームにリフォームし、サンフランシスコにいるホームレスのために街中を走り回っています。ホームレスが最低限の清潔を保ち、健康を維持できるようにこの活動を始めました。
現在はサンフランシスコだけではなく、ロサンゼルスやオークランドにも活動を広げており、移動式のバスルーム、シャワーバスを街に走らせるというコンセプトは世界中に拡大され始めています。
また、世界中のホームレスにシャワーバスを提供する、このコンセプトを広めていくためのオンラインプラットフォームも提供しています。このプラットフォームでは、シャワーバスを作りたい人は協力者を集めることができ、成果の報告をすることができます。相談やコメントなども送ることができて、コミュニテイとして機能しています。
これまでアメリカ西海岸のベイエリアで、35,000回のシャワーを提供し、約1万人に貢献してきました。色々な企業とパートナーシップを結んでおり、GoogleやMicrosoftなど多数のアメリカの企業から活動の支援も受けています。
「Watsi」は医療があまり整っていない国々に住む人々が簡単に医療へアクセスできるように手助けするプラットフォームを提供しています。
このサービスは特にアフリカやアジアの貧しい地域に住む人々のために提供してされており、治療を必要とする人が無料で適切な処置、検査を受けられるような仕組みを作ろうとしています。
手術など治療を必要とする人々がそれぞれクラウドファンディングを立ち上げ、自らの治療費のためのファンドレイジングを行っています。
クラウドファンディングの募集ページには、自分の写真と自分の人生のストーリーが掲載されていて、さらに、診察の履歴、診察結果などにアクセスをすることができ、支援者の心に訴えかける内容になっています。
「Watsi」はGoogleやDropboxなどからの支援を受けており、様々なメディアにも登場しています。
③World in Tohoku WIT
「World in Tohoku」は東日本大震災の際に活動を開始した日本のNPOです。震災の直後、ソーシャルイノベーションの各分野で経験を積んできた仲間が出会い、立ち上がりました。
東日本大震災によって、未曾有の危機を受けた東北のために何かできることをしたい、と願うとともに、東北で起きている・これから起きることは、世界の他の地域にとっても大きな意味があると考え、世界に活動を拡げ、東北を中心とした中間支援組織、社会起業家の支援をしています。
日本の伝統工芸産業が衰退するなか、日本の漆と漆器を未来にも繋ぐという想いを持った「漆とロック株式会社」に対し、資金調達や海外展開支援、経営支援などを行いました。
「WIT」はこれまでに、社会起業16団体を支援し、投資先の経営課題解決のため113のパートナーシップ構築支援、 2990万円以上の資金を投資先にコーディネートしています。
NPO法人は社会に貢献することがメインの活動となります。一方でNPOと一般企業の魅力的なところの両方を持っている「ソーシャルビジネス」というモデルを紹介します。
みなさんはソーシャルビジネスという新しいビジネスモデルを知っていますか?
以前から同様のビジネスをしていた企業はありましたが、最近になってそれらは「ソーシャルビジネス」と定義され始めました。
1990年代にアメリカでソーシャルビジネスという表現が初めて使われました。1991年にイタリアで「社会的協同組合法」という法律が成立し、ソーシャルビジネスの発展をさらに後押ししました。
「社会的協同組合法」は行政では提供するのが難しい公共サービスを、行政の代わりに民間機関がそれらの公共サービスの担い手になることを認める法律です。
ノーベル平和賞の受賞者のムハマド・ユヌス(Muhammad Yunus)はソーシャルビジネスを再定義しました。ソーシャルビジネスの主な活動は「コーズドリブン型」です。
すなわち、世の中に存在する問題を中心に考えて、それを解決するという目的をもってビジネスをします。
そして、ソーシャルビジネスの特徴は最大の利益を獲得することに目的を置かずとも、社会的な問題を解決しながら、確実に利益を獲得していく点です。
ソーシャルビジネスの成果を測る際には、利益だけでなく、人や社会、環境にどれだけのインパクトを与えることができているかという観点から評価されます。
ソーシャルビジネスは企業という形でありながら、NPOと同じように社会問題を解決することを高く優先しています。
最近、欧州委員会のサイトによる欧州において、ソーシャルビジネスのモデルは持続可能な発展やSDG’sが目指す社会を達成するための重要なモデルだと考えられています。
現時点で、ヨーロッパにある200万社の企業はソーシャルビジネスを行っており、業界の10%を占めています。
「Fair phone(フェアフォン)」はオランダ発祥の、世界初のフェアトレードのスマートフォンです。
「フェア」という言葉はヨーロッパでよく使われていますが、日本語の「平等」という意味とは少し違います。フェアトレードには、発展途上国で作られた商品を適正な価格で購入して、生産者の生活向上を支援するという意味があります。
「Fair phone」はスマートフォンの過度な価格競争による児童労働や労働災害などの問題を背景に、人と環境に優しい製品を生産し始めました。
Fair phoneの特徴は簡単に修理することができて、長期にわたり使用できるという点です。
「Zéphyr Solar(ゼファーソーラー)」は、クラウドファンディングサイトでの資金調達に成功し、2016年に活動し始めたフランスの企業です。
「Zéphyr Solar」は、災害発生後のエネルギー不足時に、風船型のソーラーパネルを提供します。
1つの風船型ソーラーパネルで、テント15個分、もしくは病院1棟分のエネルギーを提供することができます。
NPOでありながら、政府や企業などに強いインパクトを与える団体もあれば、ソーシャルビジネスを通じて、積極的に社会問題を解決する企業もあります。
いずれにしても、世界をより良くすることを目指す組織であることには変わりありません。
世界が驚くようなビジネスモデルを考えてみてはどうでしょうか?
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