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【遺贈寄付とは?】寄付を受ける団体になるためにするべき5つの行動
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いつかは遺贈寄付を受けたい団体さんにおすすめの5つの活動


「遺贈寄付」を聞いたことはあるでしょうか?

 

通常、亡くなった方の財産は配偶者や家。その財産の一部をNPOなどの団体に寄付することを遺贈寄付といいます。認定NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会が情報開示請求した国税庁の統計によると、平成28(2016年)年1年間の遺贈・相続財産寄付は1127億円となっています。野村資本市場研究所の試算では、日本の年間の相続される資産額が約 50 兆円とも言われており、昨今の高齢者の終活の拡がりにより、相続資産の一部で寄付される遺贈寄付の金額は今後も増えていくことが予想されています。

 

今回は、まだ遺贈寄付はうけたことがないが、いつかは遺贈寄付をうけたい団体さんにおすすめの活動をお伝えします。

 

▽目次

1.遺贈寄付とは何かを知る

2.他の団体はどのように広報しているかを知る

3.既に取り組んでいる団体がどんな悩みを持っているかを知る

4.遺贈寄付者の気持ちを知る

5.自団体でどこまでやるかを決める

さいごに

 

1.遺贈寄付とはなにか知る

遺贈寄付は、亡くなられた方の財産の一部をNPOなどの団体に寄付することを指します。大きく以下4つの方法があります。

 

 ①遺言による寄付

 ②相続財産からの寄付

 ③死因贈与契約による寄付

 ④信託による寄付

 

ここでは、①遺言による寄付と②相続財産からの寄付の重要なポイントについてお伝えします。

 

①遺言による寄付

「公正証書遺言」もしくは「自筆証書遺言」のどちらかを寄付希望者が作成する必要があります。

公正証書遺言は、公証役場にて作成する必要があり、遺言に記載する金額に応じて手数料がかかります。例えば財産の合計が3,000万~5,000万円の場合は29,000円に加え、公証人の出張費用や印紙代がかかります。
もう一つの自筆証書遺言は、全てを手書きで作成するため費用がかからないメリットがありますが、遺言者が亡くなった後に家庭裁判所で検認を受けないといけないため、作成されても気づかれない可能性があります。
こうした課題から民放が改正され、2020年7月10日より法務局において自筆証書遺言を保管する制度が始まるので、このやり方が今後拡がる可能性があります。遺言による寄付は、生前の意思により寄付が決められていることから法人格を問わず相続税の対象外となります。
そのため、税の優遇措置を受けられないNPO法人や一般社団、一般財団などの団体は遺言による寄付をお願いするのがよいでしょう。

②相続財産からの寄付

相続財産からの寄付は、亡くなられた方の資産を相続したご家族が団体に寄付をするものです。
認定NPOや公益財団法人など税の優遇措置を受けられる団体に寄付をすると、相続開始後10ヶ月以内に領収書を添えて相続税の申告を行えば、寄付した財産は相続税計算上の財産から控除されます。
また、所得税の寄付金控除もうけることができるので、認定NPOや公益財団法人にとっては相続財産の寄付の受入れに力を入れるとメリットを感じてもらいやすいです。

 

相続財産からの寄付は、寄付者の生前から団体とつながりがあったことをご家族に知ってもらう必要がありますので、寄付のお礼や団体の活動報告書などをご自宅にお送りするなどの定期的な関わりが欠かせません。

コングラントは、この度、全国の認定NPO法人が情報公開している活動計算書、貸借対照表をもとに財務情報を一覧化した本サイトを公開致しました。データベースでは、項目ごとの収入がひと目で確認することができます。また、もとになった活動計画書・貸借対照表・団体のHPも全て、データベースより、閲覧可能です。

 

認定NPOデータベースはコチラ▶︎https://data.congrant.jp/

 



 

2.他の団体はどのように広報しているかを知る

他の団体の活動から学べることは多いです。遺贈寄付を多く集めている団体の情報提供は勉強にもなりますし、自団体と同じ規模の団体の活動はベンチマークにもなります。参考になる団体をご紹介します。

 

認定NPO法人国境なき医師団 

※特に毎年公開されている遺贈寄付の意識調査は大変参考になります。

https://www.msf.or.jp/news/detail/pressrelease/fdr20180814.html

 

日本財団 遺贈寄付サポートセンター 

※取り寄せることができる自筆証言遺言セットは遺言とは具体的にどのようなものかを理解できるよい資料です。

公益財団法人日本対がん協会 

※最近パンフレットを大幅にリニューアルされ、必要な情報に加えて団体のよさが伝わる内容です

 

ホームページを読むだけでも参考になりますが、一度パンフレットや資料を取り寄せてみると、寄付希望者にどのような情報提供をしないといけないかがわかりとても勉強になります。

 

3.既に取り組んでいる団体がどんな悩みを持っているかを知る

これまで遺贈寄付をうけている団体がどのような悩みを持っているかを知ることは、これからの対応を考える上で有用です。遺贈寄付を全国に拡げるための中間支援団体である一般社団法人全国レガシーギフト協会では、遺贈寄付を受けたい団体向けの「遺贈寄付サロン」を実施しており、遺贈寄付をうけている団体のノウハウや実例を共有しています。これまで出てきた遺贈寄付を受けている団体の悩みは以下の3点です。

 

・新規遺贈寄付希望者にどのようにアプローチしたらよいのか(某国際協力NGO)
遺贈寄付を多くうけている団体であっても、新規遺贈寄付希望者を常に増やしていくことは難しいものです。

Web広告や、終活イベント、雑誌掲載、他団体とのコラボイベントなどを定期的に行いながら認知度を維持する必要があります。こうした活動の効果測定として連絡先情報(メールアドレス等)をどれだけ得られたかを目標値として使用しているそうです。パンフレットをただ配布するのではなく、メールアドレスを登録したら送付するなど工夫しています。

 

・遺贈寄付希望者に対応する体制づくりをどうしたらよいのか(某国際協力NGO)
マーケティング予算がほとんどない団体の場合、新規獲得のための活動はあまりとることができません。

そのため、既存の支援者にターゲットを絞り活動しています。アンケートを実施し、遺贈寄付希望と返答してくださった方に担当のスタッフがフォローをすることで遺贈寄付獲得に向けて活動しています。
そうなると遺贈寄付希望者との関わりは10年以上になることが多く、スタッフの在籍年数よりも長くなる可能性があります。
そのため、ファンドレイジング担当と遺贈寄付担当とチーム分けをして対応したり、履歴をシステムに登録した上で、定期的にチーム間で情報共有の打ち合わせをするなど、体制づくりと情報の管理と共有を常に見直しているそうです。

 

・団体のよさと遺贈寄付に必要な情報が伝わるパンフレットづくりはどうしたらよいのか(某公益財団法人)
この団体では、これまで遺贈寄付のパンフレットは用意していましたが、遺贈寄付の内容を教科書的に紹介しかしておらず、遺贈寄付希望者への訴求力に欠けていました。

そこで、外部の専門家と共にパンフレットを見直し、多くの人に団体の良さや活動への共感をしてもらいつつ、遺贈寄付をするための具体的に役立つ情報を掲載するようにリニューアルを行いました。

 

4.遺贈寄付者の気持ちを知る

遺贈寄付を希望している人はどのような気持ちから寄付をしようと考えているのでしょうか。それを知ることで適した対応ができるようになります。「遺贈寄付 最期のお金の活かし方」星野哲著 幻冬舎を参考に以下まとめました。

 

①未来へ思いを伝えたい

次の世代に役立つことをしたい思いから遺贈寄付を希望しています。しっかりと思いを聞き取った上で、冠基金などの個別対応を検討しつつ、寄付の使い道や社会的インパクトを伝えることが重要となります。


②生きた証を残したい

施設への芳名板の掲示や、なんらかの方法で感謝され続けることを伝えることが大切です。


③財産を守りたい

節税のための寄付や、望まない相続人に遺産がいかないようにすることを目的としています。そのため、税制面のメリットをきちんとお伝えし、トラブルにならないように注意を払うことが重要です。

 

遺贈寄付希望者がこの3つのどれに当てはまるのかをヒヤリングの段階で明確にして、提供する情報や対応を変えていくことが重要となります。一人ひとりの対応は時間がかかるので、遺贈寄付対応の担当者が複数名いることが望ましいです。

 

また、遺贈寄付希望者は、寄付先団体を選定する際に、小口で寄付をして団体の反応を見る方も多いことから、通常の寄付の対応も高齢者の方を阻害した仕組みになっていないかや、寄付者の情報が組織全体に共有される仕組みがあるかなどを見直す必要があります。

 

5.自団体でどこまでやるかを決める

これまで遺贈寄付を受けるために必要なことをご紹介してきました。この中から、自団体でどこまでやるかを決めていくことになります。

 

・対象

マーケティングの予算を確保して新規遺贈寄付支援者を募るのか、体制を整備して既存支援者から関心がある人をフォローするのかといった対象の絞り込みが重要です。

 

・どんな資産を遺贈寄付として受け入れるかを決める

資産は、現金だけでなく、土地や不動産、株など様々な種類があります。受け入れる資産によって準備する体制やパートナーシップ(土地・不動産の場合は不動産業者、株式の場合は証券会社等)が変わってきますので、団体としてどの資産を受入れるのかを決める必要があります。

 

・広報ツールの作成

ホームページやパンフレットなどを作成し、団体のよさや活動に共感してもらいつつ、遺贈寄付に向けた第一歩がふみだせるようなガイドをしたり、問合せを促していきます。

 

・体制づくり

遺贈寄付は額が高額であることや、寄付までの期間が長期にわたること、寄付を受けるのは希望者が亡くなった時ということで、担当者には多くのメンタル的な負担が伴います。そのため、通常の寄付の対応に加えて、遺贈寄付の担当を用意することが多いです。さらに情報の管理をどのようにするかや、情報の共有体制や会議体をどのように持つかなど、体制づくりをどこまでやるかを検討する必要があります。

 

さいごに

遺贈寄付は亡くなられてから寄付されるため、寄付者は寄付の使い道や影響を知ることができません。
そのため、事前にしっかりと信頼関係を構築する必要があります。その信頼を積み上げるものが、パンフレットであり、接する職員の対応の丁寧さであったり、思いに寄り添った個別対応などといえます。体制を整えつつそうした思いに応えていく姿勢を団体でつくっていくことが重要となります。今回の記事を参考に遺贈寄付をうけるための第一歩を踏み出してみてください。

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