寄付DXシステムのコングラント、サービス開始から7周年を迎えました
おはようございます!
リタワークスNPO事業部インターンのアンソンホです。
先日参加した「今日からできる!広報・ファンドレイジング講座」で、
3名の講師から学んだことをイベントレポートとしてご紹介しています。
イベントの詳細はこちら
【イベントレポート】現場経験者から学ぶ「今日からできる!広報・ファンドレイジング講座」
①超実践!クラウドファンディング活用講座〜準備から終了後までが挑戦期間です!〜(鎌倉幸子さん)→公開中
②“寄付しようかな”の最後の一歩を促すチラシづくりのコツ(林田全弘さん)→今回の記事
③ファンドレイジングに効く広報~団体のファンドレイジングを飛躍させる広報の勘所~(石井大輔さん)→近日公開
今回はレポート第二弾、デザイナー林田全弘さんの「“寄付しようかな”の最後の一歩を促すチラシづくりのコツ」のレポートです。
林田さんは小さなNPOを応援するグラフィックデザイナー。2006年から13年間で、60団体160件以上の「NPOにおけるデザイン・広報」に携われてきたそうです。
現在は講師活動も精力的に行っており、初心者にもわかりやすく「現場で使える」ワークも取り入れた実践的な講座スタイルで、各地で好評を得ています。
プロフィールはこちらをご覧ください。
http://azukidesign.com/about.html
この講座では、寄付への決心を促すチラシづくりの7つのコツを教えてもらいました。
「寄付チラシに求められるデザインは何か」を寄付者の立場で考えられたセミナーでした。
なぜ、「寄付をすること」に戸惑いが生じるでしょうか。
その理由を、林田さんは次のデータを引用して説明しました。
あなたが、寄付をするにあたり妨げとなることはありますか。
1位.経済的な余裕がないこと
2位.寄付先の団体・NPO法人等に対する 不信感があり、信頼度に欠けること
3位.寄付をしても、 実際に役に立っていると思えないこと
4位.寄付を行いたいが、 十分な情報がないこと
5位.寄付の手続がわかりにくいこと
ー平成28年度市民の社会貢献に関する実態調査ー
調査結果によると、人々が寄付に戸惑う理由は経済的事情以外に、不信感と情報不足が要因としてあげられました。
私の母国の韓国でも、寄付に戸惑う理由は「不信感と情報不足」という調査結果があります。
日本も同じ課題を抱えていることを知って「なるほど」と感じました。
したがって、林田さんはチラシを作るときに次の三つを考慮するべきだと話しました。
・信頼されるような内容を伝える
・寄付が役立った&役立っていることを伝える
・寄付しやすいしくみづくり
3つのポイントを解決するために、何を考えるべきでしょうか。
その解答が、これから扱う林田さんの「7つのチラシづくりコツ」にあります。
これからは、林田さんの7つのチラシづくりコツの中で4つをピックアップして紹介します。
(7つすべてを知りたい方は、ぜひ林田さんの講座に参加してみてください!)
1.どこで誰にどのように使うか、想定できていますか?
林田さんによれば、「チラシづくりの始めはターゲットを決めることが最も重要」だそうです。
対象が不明確なままチラシづくりをすると、「何をどこまで載せたらいいか」を決められないからです。
チラシは限られた紙面を利用して作り、配る場所や対象が変われば伝えるべき内容も変わります。
そのため、「ターゲットを決めた上で適切な内容を載せる必要がある」と林田さんは強調しました。
私も、インターンシップで文章を書き始めたときに、ターゲットを設定せずに書いてしまい、最初から書き直した経験があります。
チラシのターゲット設定は、文章だけでなくデザインにも影響するので、「誰に向けて作るのか」を誤ると大変なことになるなと感じました…!
2.他者の声を掲載していますか?
人は何かを決定するときに、多くのことから影響を受けます。
その影響を与える要因の一つが「他者の声」です。
例えば、引越し先で歯医者さんを探す時、近所の人に「○○歯科がおすすめだよ」と言われたら迷わず紹介してもらった歯医者に行きますよね。
通販番組では必ずと言っていいほど、「愛用者の声」を紹介しています。
他者の声には、何かの決断を後押しする力があります。
寄付チラシで言えば、「寄付者の声」、「受益者の声」が「他者の声」にあたります。他にも有名人や権威のある方(大学の先生など)、団体の代表メッセージも他者の声ですね。
林田さんはチラシを作るときに、インタビューなど「他者の声」を適切に入れることを心かけているそうです。
講座の中で、「人の声を載せていないチラシは情報を伝える役割しかない」という言葉がとても印象的でした。
3.寄付によって得られた成果を説明していますか?
寄付してもらうためには「自分の寄付は無駄にならない」と相手に思ってもらう必要があります。
そのために欠かせないのは、「活動の成果を説明すること」だと林田さんは言います。
さらに、効果的に活動の成果を伝えるには、「数字や具体的な表現」を使って説明する方法がおすすめだそうです。
活動の成果を伝えることは団体と寄付者の当たり前のコミュニケーションです。林田さんは寄付チラシの中でも、きちんとそのコミュニケーションを生んでいるんだと思いました。
4.目安の金額は提示してありますか?
経済的な余裕や金額に対する価値観は、寄付者によって変わります。
なので、できるだけ負担に感じられないように「寄付の金額のプランを最低3つは準備する」とよいそうです。
寄付者が無理のない範囲で寄付できるようにする配慮が必要です。
そして金額のプランには、「その金額によってどんな活動ができるか示す」ことでより寄付に繋がりやすくなるそうです。
この他にも、林田さんは金額のプランを提示するテクニックとして「アンカリング効果」を紹介されていました。
アンカリング効果とは、「人間が最初認識したモノを基準とする」という心理学用語です。
そのため、チラシで寄付の金額を提示するときには
・10,000円
・5,000円
・3,000円
のように、高い金額から提示することで、寄付者が感じる金額への心理的な負担を減らすことができるそうです!
講座を聞いて、林田さんの寄付チラシ制作の過程では読み手への配慮がとても大切にされているんだなと感じました。
講座の中で印象深かったことは、林田さんの「コース料理は消化しやすい順番で料理がでる。チラシのコンテンツも同じで、順番を考える必要がある」という話でした。
林田さんの話から、自分の書くコンテンツは読み手を配慮しているか、改めて反省する機会になりました。
そして自分の中の「デザイン」のイメージも大きく変わりました。デザインと聞くと、「かっこいいデコレーション」をしないといけないと思ってしまいますが、今回の講座で、デザインの本質は「デコレーション」ではなく、「配慮というコミュニケーション」だということを学びました。
私自身、もっと伝えたいことを、ただありのままではなく、相手への配慮を加えて伝えていきたいと思いました。
下記のリンクから林田さんが登壇するセミナーの情報の入手や林田さんへのコンタクトが可能です!
NPOのためのデザイン https://design4npo.com/
次回のイベントレポート③では、石井さんの講座「ファンドレイジングに効く広報〜団体のファンドレイジングを飛躍させる広報の勘所」について紹介します。
ソクラウドファンディングを成功に導く広報の仕方の一つのプレスリリース。
プレスリリースのノウハウをみなさまに共有します。
このイベントは寄付月間公式企画です!
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