寄付DXシステムのコングラント、サービス開始から7周年を迎えました
こんにちは。NPO事業部の奥田です。
先日、NPOサポートセンター主催の「NPOによるICTサービス活用自慢大会」に参加しました。
このイベントは全国のNPOなどが事業運営に用いているICTサービスの活用事例を発表・表彰することで、実践的な活用事例の共有を推進し、社会課題の解決を加速させることを目的としています。
NPOがICTサービスを導入するメリットや、導入する際のポイントを学べたので、イベントレポートという形で共有します。
自団体に似た課題を持つ団体を見つけてぜひ参考にしてください。
イベントの出演者スライドはこちら
https://npo-sc.org/ncolle/2020/09/06/nptechjp_jiman_2020_award/?fbclid=IwAR05xvvX8tcpp9HrQbtu0rP3WWjujjfeiZMpeKAtGSmvymsFlas8LrW2050
【目次】
1.ICTサービス導入のメリット
①『業務の工数が10分の1に減少!』/大阪府立大学東京同窓会
②『リモートワークの実施、会員の増加につながった』/NPO法人えがお
③『小さなNPOでもやればできる!クラウドファンディディングで大成功』
/NPO法人インフォメーションギャップバスター
/K2インターナショナルグループ
2.ICTサービス導入に当たってのポイント
3.まとめ:ICTサービスは怖くない!
1.ICTサービス導入のメリット
大阪府立大学東京同窓会は、平均年齢65歳の幹事たちによる同窓会運営の団体です。
■課題
ICTサービス導入前は、3000人分の名簿をエクセルで管理し、Dropboxやメールでデータのやりとりをしていました。
・共同編集ではなく、各自がデータを編集しているので間違いが多くトラブルが起こる。
・顧客の固有のIDがなく、名前で個人を識別しており管理の手間がかかる
・セキュリティが脆弱
と行った課題が見られました。■導入ツールと詳細資料
そこで時間をかけて、以下のようにGmailやGoogle Drive,kintoneなどを導入。
■導入した結果
・人為的なミスが減少。管理データの正確性がアップし、トラブルが減った。
・共同編集により、最新データを一つにまとめることができた
・業務の工数が10分の1に減少
・セキュリティがアップ
といった成果が出ました。
新たなツールに抵抗がある方もいるかもしれませんが、年齢が高い方でも、マニュアルに沿って作業を進めれば必ず使いこなすことができます。
アナログな管理方法を抜け出し、効率的な管理を目指しましょう。
NPO法人えがおは、線維筋痛症と慢性疲労症候群への理解の周知と支援、患者会の運営を行うNPO法人です。
■課題
団体スタッフ自身がこの疾患の患者であるので、体に負担をかけないためにリモートワークを進める必要がありました。
■導入ツールと詳細資料
そこで、以下のように複数のICTツールを組み合わせて導入。
■導入した結果
VRを使った患者会を開催でき、日々の業務もクラウド上で完結するので、リモートワークが進みました。また、クラウドファンディングを行ったことで、会員数を伸ばすことができ、安定した活動につながりました。
このように、リモートワークで働くことができるようになると、一気にスタッフの負担を減らし柔軟に活動ができるようになります。ICTサービスの活用はリモートワーク化の第一歩です。上記のようにフローの設計図を作って見直してみても良いでしょう。
インフォメーションバスターはコミュニケーション・情報バリアの解消を目指すNPO法人です。
■課題
活動のために早急に資金を確保する必要があるにも関わらず、スタッフ全員がプロボノで、ボランティアとして働いていることから、ファンドレイジングに時間やお金をかけることができない、という問題がありました。
■導入ツールと詳細資料
そこで、以下のようなツールを組み合わせて導入。
・CRMツールで、効率的に支援者に最適なone to oneメールを配信。企画参加や支援を促す。
・分析ツールで、配信したメールやメルマガの結果を可視化することで、対策を練る。
■導入した結果
これらの運用によって、効率的にマーケティングを行うことができ、約一ヶ月で59人から計285,000円の寄付を獲得しました。
小さなNPOでもICTツールという武器を使うことで、広報の力を伸ばすことができ、活動に必要な資金を調達することができます。
K2インターナショナルグループは生きづらさを抱えた若者への自立就労支援を行う団体です。
■課題
ICTサービス導入前の課題として、
・「若者支援の成果=就職率」となりがちで、数しか成果として評価できていなかった。
・支援内容と目指す成果を紐付ける根拠が弱い
といった問題がありました。
■導入ツールと詳細資料
そこで導入したのが以下のようなツールです。
■導入した結果
特に力を入れたのが、salesforceの活用です。
salesforceに面談やセミナーを通した支援、それ以外のオフラインでの細かい支援も記録することができるようになりました。これまでは、就職率など「数」しか成果の数値として表すことができなかったのが、定正的な活動の「質」も可視化できるようになりました。
これによって、外部に向けて発信できる成果の指標が豊富になった上、支援の「質」も高まりました。
今後は、蓄積データから得た成果を外部に向けて発信できる「エビデンス」として活用し、助成金や寄付金、政策提言に使っていきたい、とのことです。
このように、ICTサービスを用いることでそれぞれの団体が抱えている悩みや課題を解決することができます。ご自身の団体に最適なツールを使うことで、団体の持つ力をさらに高めていってください。
ICTサービスを導入したがどうまく運用できていない、スタッフに根付いたサービスになっていない、ということはありませんか?
ICTサービスの導入に成功した上記の団体が、どのような工夫をしていたかを団体内向け、外部向けに分けて紹介します。
【団体内で意識すること】
1.スタッフの認識を揃える
ICTサービスの導入目的や危機意識を共有することは導入にあたって非常に重要です。
なぜ現在の方法を変えてまでツールを導入する必要があるのか、メリットはなにかを団体内で共有することで、スタッフの意識が統一され、スムーズに導入から運用まで進めることができます。
2.運用ができた際は小さなことでも褒める
褒めることで、パソコンが苦手な方でもクラウドを使いこなすことが出来ているんだ、という感覚が生まれ、モチベーションアップにつながります。
平均年齢65歳の大阪府立大学東京同窓会さんは、新しいツールの操作を覚えるのに前向きでないメンバーが多かったそうです。しかし、だんだんとツールを使えるようになり、周りから褒める声が多くなったことで、生きがいや自己肯定感のアップにもつながりました。
3.定期的に現場の困りごとを共有
現場の声を定期的に聞くことで、ICTサービスに対する不満の解消や課題の改善につなげ、より良い運営につながります。職場内のコミュニケーションを大切にし、ツールの定着度合いを確かめましょう。
【外部との関わりでできること】
1.セミナーへの参加やサポート、お問い合わせを活用する
操作方法が分からないときや、もっとツールを活用したいときは、ツール提供会社の操作方法セミナーへの参加やサポート機能を利用するのがおすすめです。不明点が解消されるだけでなく、今まで知らなかった便利機能を発見できることもあり、有効活用につながります。
ICTサービスは工夫次第で誰でも活用できる、便利なツールです。
様々なICTサービスを使うことで、団体の寄付を増やしたり、作業を効率化したりして、より良い活動ができるよう積極的に挑戦しましょう。
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