寄付DXシステムのコングラント、サービス開始から7周年を迎えました
多くのNPO団体の、ファンドレイジング成功体験を公開してきた、コングラントお客様の声。
今回は、お客様の声に詰まっている、小さな団体にもできるファンドレイジングのコツを、体系化してブログにしたいと思います。
ファンドレイジングのコツは、書籍でも学ぶことはできますが、団体の規模感もそれぞれ、自分たちの団体にできることなのかもわかりません。
全国の小さな活動を応援しているコングラントだからそこできる、小さな団体でも始められる、ファンドレイジングのコツや生の声の紹介。コングラントの利用団体の事例から、ファンドレイジングを紐解いていきましょう。
こんにちは、NPO事業部学生インターンの楠元です。
今回は、昨年10月にインタビューを公開した「くまもとSDGs推進財団さま」のファンドレイジングを紐解いていきたいと思います。
まず、くまもとSDGs推進財団さまのご紹介と、当団体の行っていたクラウドファンディングの内容を紹介します。
▼目次
くまもとSDGs推進財団とは…
「想いとお金のミスマッチ」を減らすべく、熊本県を中心にコミュニティ財団として活動されています。地震や災害の他、社会課題の解決のために企業や行政との連携をするなど、活動範囲は多岐にわたります。
クラウドファンディングの内容
2020年、熊本災害を受けて、たった1日で基金を設立。先陣を切る基金設立で、わかりやすく、一箇所に寄付を集め、助成先へのスムーズな資金支援を実現しました。
①Facebookで情報発信
「お金の行き先がわからないと、不安になって寄付をやめてしまう」という、くまもとSDGs推進財団の林さん。
そこで、団体では、Facebookでの情報発信をこまめに行っているのだそう。団体のFacebookでは、写真と一緒に助成先の紹介をしています。この投稿で寄付者は、寄付は誰が使っているのか、どのように使われているのかがわかり、安心して支援が続けられるのだとか。
②自動返信機能で感謝の気持ちを伝える
コングラントで、クレジット決済を行った時には、寄付者のもとに自動でメールが送信されます。自動送信メールにはお礼の文章がもともと組み込まれており、林さんたちはこの機能を活用しているようです。
メッセージが自動で送られることで、業務の効率化につながっているという林さん。効率化、ということは、普段から寄付に対する感謝の言葉を伝えて来られたということですね。
さて、この二つがファンドレイジングのコツだそうですが、「いやいや、まぐれでしょう」と思ったり、「すぐ真似するのは安直だ」と思う方もいるかと思います。
そんな方のために、しっかりと寄付者の心を読み取りながら、ファンドレイジングのコツを紐解いていきましょう。
①Facebookで情報発信
以下省略
(上記PDF 14ページより抜粋)
このアンケートは内閣府が令和元年度に公開した、市民の社会貢献に関する実態調査の結果です。寄付の妨げになる要因として上がっている、上位3つの項目をご覧ください。
3位 寄付をしても実際に役に立っているとは思えない
一度、「応援したい」と思ってした寄付が、何に使われているかわからないということは、寄付の大きな弊害になっていることが明らかです。1位こそ、仕方のないこととは言えますが、2位・3位は、団体の活動次第で変えることができます。
また、東京都杉並区が平成24年に行った「寄付文化に関する意識調査」アンケートを見てみましょう。
「どのようにしたら寄付をする?」
については、上位2回答は、このようになっています。
・寄付の使い道を明確にする 54.4% ・寄付した後、会計報告書のように、結果を寄付者に返す 18.2% ・その他 |
(上記PDF 10ページより抜粋)
裏を返せば、この項目を普段から行っているような団体には、進んで寄付がしやすいということですね。寄付をやめる以前に、寄付をしてくれる人の数が多いに越したことはないでしょう。
この点で、くまもとSDGs推進財団さんは、情報発信をすることで、寄付者へ「寄付が役に立っていること」「寄付の使い道を明確すること」をしていました。つまり、アンケートから読み取れるような、寄付の妨げとなることが、この団体には少なかったことが分かりますね。
ーおまけー
くまもとSDGs推進財団さんの、情報発信はメールではなくFacebookだというところもミソです。
メールは、確認頻度がSNSより少なく、開封の作業も伴います。それに対して、Facebookは投稿を開く手間なく、情報が目に入ってくるのです。
また、Facebookには「アルゴリズム」というものがあります。これは、投稿が全て時間順に表示されるだけでなく、いいね数やシェア数、コンテンツの内容などで表示頻度が変化するという仕組みです。この機能は、ユーザーがより必要とする情報を手に入れられるように組み込まれているものではありますが、このアルゴリズムのおかげで、寄付者は自ずと有益な情報を手に入れることできます。
お次は、メールで寄付してくれた人に感謝の気持ちを伝えることです。
コングラントの、寄付する人は団体のここを見て寄付してる〜アンケート結果公開〜というブログを参考に見ていきましょう。
このアンケートは、2019年にactcoin(社会貢献活動でトークンを発行、自分の活動のみえる化までできるアプリ)のユーザーに対して行ったアンケートです。
・寄付のお礼や、連絡がなかった ・寄付が何に使われたのか結局わからなかった ・寄付の用途に不安がある団体がいた |
が挙げられています。これは、①にも関係していますが、お礼や連絡がないことは、寄付者にとって不安のタネになってしまうようです。
次に、寄付先を選ぶ際に重視していることについても、みてみましょう。寄付先を選ぶ基準でも、今回のテーマに近い内容が重視されています。
ここでも明らかな通り、はじめは自動返信でもいいので、寄付をしてくれたことに対して、何らかのアクションを起こすことは必須です。
また、自動返信メールに加えて、個別のメールで日々の活動を報告すると、さらに、団体の信頼につながるのではないでしょうか?
いかがでしたか?お客様の声を初めて読んだ時は、深い話だとは思いながらも、この団体特有のものだったのではないかとも、少しばかり思っていました。
しかし、アンケートの結果や、コメントが残されていることで、くまもとSDGs推進財団さんが行っていることは、寄付者の心を掴むものだったのだと改めて感じられました。ただ寄付をもらって終わりでなく、これからの長い付き合いを大切にしていく考え方は、長期支援だけでなく、団体の信頼につながるのではないでしょうか。
信頼の反対と受け取れる、「不信感」については、内閣府のアンケートで2位に上がっていましたね。信頼については、日本NPOセンターより、信頼されるNPOの7つの条件という記事が執筆されていますので、こちらを参考にしてみてください。
上記のブログで紹介されている、
4. 事業報告・会計報告などの情報を積極的に公開していること
は、Facebookでの活動報告や、メールでの連絡も含まれるものであると、筆者は感じています。
最後に、今回紹介したコツについて、コングラントができることを紹介します。
コングラントを使って寄付募集をすると、寄付者の個人情報は自動登録されるようになっています。支援者に活動報告や日々の感謝のメッセージを送りたい時は、コングラントの管理画面からスピーディーに個別でも、連絡ができるのです。
先ほども書いたように、連絡をこまめに行うことや活動のオープンにすることは、信頼されるNPOの条件にあるような、信頼獲得にもつながります。
・情報発信で、寄付の使い道を明らかにしたり、活動をオープンにすること
・連絡や感謝の言葉をこまめに送ることで、支援者との信頼関係をつくり出していくこと
この二つだけでも、支援してくれる人の心理に沿っていたことがわかっていただけたかと思います。
日々の積み重ねではありますが、応援してくれる支援者の感謝の気持ちを忘れずに日々の活動していくことで、信頼できる団体になり、さらにファンドレイジング力がつくのではないでしょうか?
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