寄付DXシステムのコングラント、サービス開始から7周年を迎えました
「馬と人のハッピーライフ」を目指して引退馬の支援活動を続けている引退馬協会さま。 コングラントと様々な工夫を組み合わせて多くの寄付を集めています。 今回のインタビューでは、引退馬協会本部長の曽根さまに「寄付集めを成功に導くための工夫・考え方」をお聞きしました。
ー引退馬協会さまはどういった活動をなさっているのですか?
1997年に、引退馬協会の前身となる「イグレット軽種馬フォスターペアレントの会」を立ち上げ、一頭の馬に対して里親を集めて支えるという活動をしていました。
この事業を中心に、2005年に馬を引き取って繋養する人をサポートする対外支援部門として「引退馬ネット事業」を開始し、今でも主要な活動の一つとなっています。
2011年にはNPO法人引退馬協会を設立し、2013年に認定NPO法人となりました。
その時からだんだん事業が広がっていきまして、引退した競走馬を引き取って再調教し、希望されている方に無償で譲渡する「再就職支援プログラム」も行っています。
私たち引退馬協会は「関わった馬は最後まで見ていく」ということをポリシーに、馬の里親制度「フォスターペアレント」・「引退馬ネット」・「再就職支援プログラム」、この3つを事業の柱としています。
ーコングラントは、どういった経緯で導入されたのですか?
ホームページの作成をリタワークスさん(弊社)にお願いいたしまして、この時に「簡単に寄付の募集をできるシステムがある」ということでご紹介いただき、導入しました。
ーそれまでにクレジットカードでの寄付決済は利用していましたか?
PayPalを利用していましたが、あまり活用できていなかったです。 PayPalを使うきっかけというのは、東日本大震災でした。あの時に、海外からのご寄付をいただきやすくするシステムとして導入しました。 しかし、それ以外ではあまりこちらから積極的に寄付をお願いすることはしていなかったです。
ーどうして積極的には寄付をお願いしていなかったのでしょうか?
活動に充てる収入は会員からの会費を基本に考えていました。 もちろん寄付も大切な収入源ですが、不安定な収入を計上して予算を立ててしまうと経営が立ち行かなくなってしまうところがあるため、毎年の事業計画の中に寄付収入を計上していません。
加えて、当時はまだ引退馬の支援活動をやっている中でも、寄付を中心にして運営を支えていくという考え方があまりなかったんだと思います。
ただ、東日本大震災をきっかけに寄付をするということが一般に根付き始め、その後のホームページのリニューアルとコングラントの導入で、寄付の頻度がものすごく大きくなった。そのおかげで、今まであまり力を入れられなかった再就職支援プログラムなどにもお金を使えるようになりましたね。
ー寄付が集まるようになったのは、寄付を積極的に集めるようになったからですか?
ホームページ上で寄付までの道筋がわかりやすくなったということ、寄付の手続きが簡潔になったこと、がきっかけだと思います。
寄付の手続きについていうと、それまで「馬のために何かしたい」と思ってホームページを見るんだけど、「会員制度を見てもよくわからない」、「寄付しようと思ってもよくわからない」という不明確さ。
それは役員会でも毎年出ていた懸念事項でした。
加えて、口座振込にしても、自分で郵便局の窓口に行って払わなきゃいけないという手間がありました。
要するに、寄付にたどり着くまでに脱落してしまう割合が相当高かった。
そこが新しいホームページでオンライン寄付が可能になって、とても手軽になったのだと思います。
△「寄付で支援」をメニューバーに表示し、寄付への動線をよくしている
ーなるほど。寄付の内容にも変化はありましたか?
オンライン寄付ができると、1000円、2000円からでも寄付ができる。
しかも、その場で完了できるじゃないですか。
そういう金額と手間の気軽さが良いのだと思います。
例えば、ブログで「今こういった馬を支援しています」とお願いするとたちまち寄付が集まるんです。
2019年の11月にある馬について支援をお願いした際は、2ヶ月で多くの寄付をいただき、1日に20件の寄付をいただくこともありました。
何かあった時に、簡単な操作で、少額でも手軽に寄付できる。
これがオンライン寄付の良いところだと思います。
ー会員制度は、クレジットカード決済ではないんですね。
そうですね。
会費は口座引き落としでお願いしています。
経済的な理由などから会員としての継続が難しいという方には、賛同会員への移行をお願いしています。
ー賛同会員ですか。どのようなシステムになっていますか?
賛同会員は、金銭ではなく、お気持ちで支援してくださる会員さんです。
会費は無料となっていて、年に4回の会報と年一回の活動報告をお送りしています。
高齢の方や病気の方、失業してしまった方、災害などによって経済的に継続した支援が難しくなり、「会員をやめたい」とおっしゃる方たちと繋がりを保ち、馬の支援に関わっていただける制度でもあります。
あと、「今は学生なのでお金がないけどいずれ」とか、「どんな会かわからないけど見てみよう」という形で賛同会員の申し込まれる方も多く、将来的に正会員になっていただくきっかけにもなっています。
こういった賛同会員の方がオンラインで寄付をしてくださるケースも多く、オンライン寄付は、会員制度は経済的に厳しいという方でも関われる点でとても良いと感じています。
△「賛同会員」でコミュニケーションを絶やさず、都度寄付をしてもらえる関係を築いている
ー様々な取り組みを積極的に取り入れてきた引退馬協会さまにとってオンライン寄付の魅力というのはなんでしょうか?
今、引退馬の支援活動が以前より盛んになってきていますが、引退馬の行く末に思いを寄せる人の数は残念ながら、まだ限りがあります。
限られた人の中から資金を集めるので、あちらにも、こちらにも、とはなかなか難しいと思います。
だから、単発で気軽にできる寄付というのはすごく良い。
口座振込の寄付って手間がかかり、特に年配の方には手続きが面倒だとおっしゃる場合があります。
でも、今はカードを持っている方が多いですから、クレジットカード決済はすぐできる。
そういった意味で、単発で急な費用が必要になった時、例えば何かを助けようとプロジェクトを立ちあげた時などには、大変有効だと思います。
コングラントを利用する前、手数料がかかることに悩んでいました。
その時、利用している方から「手数料かかっても、それ以上の効果がありますから!」と言われ、導入してみて実際にそう感じました。
導入する時、手数料って大きなポイントになるんですよね。
多少高くてもメリットの方が大きいので導入して良かったです。
「手数料以上のメリットがありますよ。」って言いたいですね。
ー本日はありがとうございました!
インタビュー対象者:引退馬協会本部長 曽根さま
インタビュー・執筆:荒木雄大・青木亮太