寄付DXシステムのコングラント、サービス開始から7周年を迎えました
NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえさまは、各地域のこども食堂ネットワークを支援し、企業や団体、個人からの寄付を全国のこども食堂へ届ける活動をしています。
2018年の団体の立ち上げ時にコングラントを導入していただき、多くの寄付を集めています。
今回は、社会活動家・東京大学特任教授でもある、むすびえ理事長・湯浅様にお話を伺いました。
ーむすびえさまの活動について教えてください。
「むすびえ」という名前には、「子ども」、「こども食堂」、そして個人や団体を含む「支援者」の三者を結びたいという意味が込められています。
私たち自身がこども食堂を運営しているのではなく、全国約4000のこども食堂を直接的、間接的に支援することで、地域をより良くする活動を応援しています。
「こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会をつくる」
これが私たちのビジョンです。
2018年12月に発足したまだまだ新しい団体ですが、ありがたいことに社会的な注目をいただいたり、企業さんや団体さんから新たな協働のお申し出をいただいたりと、精力的に活動しています。
ー活動の立ち上げ時にコングラントを導入していただきました。決め手は何でしたか?
設立したばかりで何の基盤もない団体が、寄付募集・支援者管理の仕組みを0から構築するのは、コストや労力の面で非現実的です。そのなかで、コングラントではクレジット決済を簡単に導入出来て、かつ導入までも非常に短期間でやっていただけると聞き、この時点での導入が一番妥当であると思いました。
また、弊会のファンドレイジングを担当している職員が、コングラントを運営するリタワークスさんとは以前から知り合いだったそうですね。
ーはい。弊社が運営している「SOCIALSHIP」という、NPO向けの助成プログラムを通してご縁ができました。
なるほど。運営元のリタワークスさんが、ソーシャルセクターでの活動にコミットしているのも決め手の1つでした。
※SOCIALSHIPについての詳しい情報はこちら
ー活動を始めて、寄付への反響はいかがでしたか?
寄付は団体の知名度に応じて増えていくので、初めから多くの寄付を集められたわけではありません。しかし、我々の活動がメディアに取り上げられると、ホームページへの訪問者数も増えて、だんだんと寄付が増えていきました。「活動を頑張ったら頑張った分だけ寄付が増える」という良い循環がつくれていますし、安定的な経営の土台ができつつあります。
ーむすびえさんは広告も展開して、寄付を獲得していますよね。そうした広報活動を行う背景には何かあるのでしょうか?
広告は、経営戦略として活用しています。今、コロナでこども食堂への社会的注目が高まり、寄付も増加していますが、これは徐々に落ち着いていくと予想しています。そう考えると、現在皆様からいただいた寄付の一部を広告費として、将来への投資に回し、継続寄付の獲得につなげることで安定的な経営基盤を作りたいと考えています。
我々のような、寄付が基本となる団体にとって安定的な経営のためには、離脱率が低い継続寄付が必要不可欠です。今後5年10年のむすびえの経営を見据え、より広く活動をしていくために、この投資はプラスが大きいと判断しています。
ー寄付額を今後も増やしていかれる予定だと思いますが、集まったお金の使い道は決まっていますか?
もちろんです。ビジョンの「こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会をつくる」ためにどんどん使っていきます。
こども食堂で活動している方々は、地域に住んでいるおばちゃんやおばあちゃんなど、百戦錬磨の方々です。そうした方々は限られた資源、状況の中で、臨機応変に動くことにとても長けています。例えばこのコロナ禍でも、限られた状況の中で何ができるかを考え、すぐに食料配布やフードパントリーなどに切り替えていかれました。私はその柔軟性や臨機応変さや、たくましさに本当に感動しました。
他方で現場の方にとって、寄付でお金を確保することや運営者同士のネットワークづくり、企業や団体との協働などは難しい分野です。
そこの苦手な部分を私たちがカバーすることで、より一層、強靭な地域・社会づくりをすることができる。私たちのご支援を届けることで、こども食堂の方々がより柔軟に、より生き生きと活動できるよう支えていきたいです。
△「第3回 九州・沖縄のこども食堂がつながる研修会in北九州」に参加されているときの様子
(出典:https://musubie.org/case/2040/)
Q.弊社でもこども食堂の団体さんとのかかわりがあるのですが、寄付集めに苦手意識をもつ団体さんは多いと感じています。
そうですね。難しいと感じてしまうのだと思います。しかし、寄付というのは活動自体と本質的には変わりません。寄付は、活動している意義を買ってもらうことです。ある意味商品を売るのと一緒です。あなたに対するサービスではないけれど、社会に対するサービス。それを買ってもらう。私たちの商品は活動なんです。活動の意義を伝えることそのものが寄付活動なので、「お金をください」という話とは、全然違うものです。
そう考えると、NPOで働く方々も気持ちが楽になると思います。寄付集めのために何か大きなことをやらなくてはならないとか、お金を無心しなければならないとか、そう考えるとつらくなりますよね。でも、そうではないです。寄付集めは活動そのもの。そう考えると、寄付集めもしやすくなると思います。
私たち自身もむすびえの中で、そうした考えを浸透させることができているわけではないので
自戒の意味も込めて、改めてそう感じています。
ーなるほど、ありがとうございます。こども食堂はここ数年でかなり増えた印象ですが、まだまだ数は足りていないですか?
そうです。私たちの目標は「2025年までに全小学校区約2万箇所にこども食堂を設置する」です。
近年子ども達の安心安全を守るために、小学校区を越えた移動が制限されています。アクセスできない場所にこども食堂があっても、それは存在しないことと同じですから、全小学校区にこども食堂をおくのは、全ての子のアクセスを担保するために必要です。
しかし現在は約4000箇所しかありません。昨年一年間で1400箇所増えたといえど、今のペースでは2万箇所に到達するのは12年後。これでは遅い。
これまで主な担い手は地域の方々でしたが、今後はお寺さんや自治会、企業さんなども巻き込んで組織的に取り組むつもりです。
活動への理解と裾野を広げることが箇所数増加に結びつき、こども食堂にアクセスできる子どもが増え、「誰も取りこぼさない社会をつくる」ことにつながります。
私達は、本気でビジョンの達成を追及し活動しています。
ーむすびえ様のビジョンに向けた想いが印象的でした。コングラントでは今後もむすびえさまの活動を後押しできるよう努めてまいります。本日は本当にありがとうございました。
▽むすびえさまのHPは下記リンクからご覧いただけます
▽むすびえさまがコングラントで作成したファンドレイジングページは以下です。
・継続寄付:https://congrant.com/project/musubie/755
・都度寄付:https://congrant.com/project/musubie/760
・都度寄付新型コロナウイルス対策緊急プロジェクトhttps://congrant.com/project/musubie/1476
インタビュー対象者:
NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ 湯浅様
インタビュー・執筆・編集:荒木・奥田