寄付DXシステムのコングラント、サービス開始から7周年を迎えました
「しぶたね」は、小児がんや心臓病などの重い病気をもつ子どもの「きょうだい」のサポートをしているNPO法人です。「小さな身体でがんばっているきょうだいたちが、子ども時代を安心の中で過ごせるように…たくさんのひとのあたたかな気持ちをきょうだいたちに渡したい」という思いで活動しています。 今回は、代表の清田さまとスタッフのシブレッドさまにお話を伺いました。
ーしぶたねの活動について教えてください。
清:小児がんや心臓病のような、命に関わったり、一生付き合っていくような病気を持つお子さんの、きょうだいのための活動をしています。
直接きょうだいに関わる活動としては、きょうだいのためのワークショップ開催ときょうだいと一緒に過ごすボランティア活動の2つです。
ワークショップは、「シブショップ」というアメリカで広く行われている特別なニーズをもつ子どものきょうだいのためのワークショップをモデルにして、年10回ほど実施しています。
ボランティア活動では、病院できょうだいの居場所作りを行っています。
大きな病院の小児病棟は、感染予防のために中学生以下の子どもはきょうだいでも中に入ることができないんです。
そんな子たちの中には、親御さんが面会に行く間、1日何時間も、時には夜10時を過ぎても廊下で待っている子たちがいます。
そんな子たちと一緒に過ごす活動をしています。
直接きょうだいに関わらない、きょうだい支援のタネをまく活動としては、講演をしたり、きょうだいのための小冊子を作って配布したり、4月10日の「きょうだいの日」に合わせて行う啓発活動です。あとは、きょうだいの応援団を増やすための研修を全国で行っています。
ー活動を始めたきっかけは何ですか?
清:私の弟が心臓病で私自身きょうだいの立場だったんです。
中学生の頃に弟が入院する病院に行くと、廊下で何時間も待っている子どもたちがいて、「何かできないか」って思ったことが活動の芯です。
活動を立ち上げるきっかけになったのは、きょうだい支援の世界的なパイオニアである米国のドナルド・マイヤーさんによる、シブショップファシリテーター養成トレーニングに参加したことです。
その際、その方が幼いきょうだいたちに1人じゃないよって声をかけておられるのを見て、自分に言ってもらったみたいに感じて胸がいっぱいになったんです。
日本のきょうだい達にもひとりじゃないと感じてほしいと思い、活動を立ち上げました。
ーコングラント導入のきっかけは何でしたか?
シ:佐藤さん(弊社社長)からコングラントについて説明を聞いてみませんか、とお声がけいただいたことです。
当時は個人でクレジットカード決済を導入するのは難しいことだと思っていたのですが、コングラントさんに教えてもらいながら導入ができるというのが、一番のきっかけだったと思いますね。
ー導入前は、口座振り込みや手渡しで募金活動をしていたのですか?
シ:それまでは口座振り込みや手渡しだけでしたね。
振替用紙も法人化してから使い始めましたけど、寄付をしてくださる方にとっての便利さが足りないなという話はかねてからしていました。そんな時にコングラントのお話をいただき導入しました。
ー 導入以前の活動の主な資金源は何ですか?
清:ほとんど助成金をいただいて活動していましたので、寄付のお願いをする機会もほとんどありませんでした。
子どもたちの参加費は無料にしていて、そこでご寄付をお願いすることもありません。
そのため、ほとんど募集ができない、していない状態でした。
シ:ホームページにお願いの文章を載せているだけでしたね。
ー 積極的に寄付を集めたいという思いはもともとありましたか?
清:法人格の取得と活動の拡大を期に、そう思うようになりましたね。
全国を回る活動をしたいということと、きょうだい支援の活動を職業として成り立たせたいという覚悟で3年前に方針を固めました。
その時に会員制度をつくり、継続的にたくさんの人に支えてもらう形にしていこうと決めました。
そのタイミングで声をかけていただいて、「これを試そう」と。
ーコングラント導入後、どういう変化がありましたか?
シ:マンスリー会員さんを募集できるようになったことが大きいですね。まだ10人ほどですけど。
継続的に関わってくださる方が増えました。
年度更新だと毎年手続きをしていただかないといけないので、毎月寄付をくださる形で継続的に支援してくださる方が増えたのは嬉しいですね。
清:新しい事業にチャレンジしてみようと思う時に、支えてくれる方がいるのは心強いです。チームメンバーが増えているって感じられて、金銭面だけではなく精神面でも支えられていますね。
ー コングラントを使って良かったなと思うことはありますか。
シ:思いついたらすぐに行動できるという点でコングラントは良いですね。
「きょうだいの日」制定のクラウドファンディングの時も素早く実行できました。
清:他のクラウドファンディングサービスですと、手厚いサポートしていただける反面、準備が大変で。
コングラントは自分たちのペースで実行できるというのが、私たちには合っているのかなって思いますね。
シ:導入当初はクレジットカード決済が一番欲しかったんですけど、使い始めてみると支援者管理の機能がすごく助かっています。
コングラント経由で寄付をしてくださった方が自動で登録されていくというのが、とても大きいですね。
清:メルマガも楽しく読ませていただいてますし。
シ:それに、手数料を引き下げようとしてくれているじゃないですか。
6%だったのが5%になって、これから先も下げ続けるって言ってくれていますよね。
清:手数料を下げ続けようとするその気持ちが嬉しいなって。
こんな風に小さなNPOを応援してくれているということが、孤独なNPO業界みんなが支えられていると思っています。
ー 新しい支援者の獲得に向けて、どのようなアプローチをしているのですか?
清:SNSを利用していますね。
Facebookやinstagramで広告を出すのも効果がありました。
シ:Facebookは上の世代の方が多く、instagramは若い世代の方が多いと聞くので、両方利用していると別の世代に呼び掛けることができるのかな、と。
清:あとは、LINEスタンプをつくっていて、そのスタンプ経由で知ってくださる方もいますね。
シ:最近はYouTubeに動画を投稿したりもしていますね。私がヒーローの格好をして(笑)
今まで知り合いにくかった層にどう呼びかけるかは重視していますね。
そういった層に効果があるようなSNS以外のサービスも利用しています。
先述の「きょうだいの日」制定のクラウドファンディングなんかは、自分が記念日をつくったことになるという面白さがあるということで、ボランティアに興味がなくても仲間になってくれる人がいるんですよね。
きょうだい支援はほとんどの人が知らない領域だと思うので、まず知ってもらうことが大事だと思っています。
清:小さい団体であるからこそ小回りは効くので、そこを生かして。失うものは何もないので(笑)
ー ファンドレイジングで課題だと感じていることはありますか?
清:寄付を下さった方に感謝でいっぱいなんですけど、その感謝を伝え切れていないと感じています。
活動や寄付金の使い方について、もっと細かく説明する機会とその機会を実現するための人手がないんです。
感謝の気持ちを伝えたり、まめに活動を報告したりできたら、とは思っていますね。
あとは、会員さんがなかなか増えなくて。
一時的な寄付をしてくださる方はたくさんいるんですけども、会員という形だと「毎年払わないといけない」というような義務感が生まれてきて、そこが難しいのだろうなと感じますね。
もっと気軽に支えていただける、子どもたちに届くような形にできたらいいなと思っています。
シ:コングラントさんで、クラウドファンディングをしたんです。
目標金額の2〜3倍の寄付が集まって嬉しかったのですが、寄付に応じてくれる方は大体同じ層の方なんですよ。
嬉しい反面、同じ方にいっぱい出してもらっているというのが申し訳なくて、、、新しい層に広げるというのが課題ですかね。
ー 今後コングラントを活用して達成したい目標は?
清:今、きょうだい支援の業界に過去最大の波が来ているんです。
メディアで取り上げられることが増えていますし、私たちが研修をした先で新しくきょうだい支援の団体が立ち上がるということが増えています。
でも、団体を立ち上げてくれる方というのは、私と同じように当事者であるきょうだいの立場の人が多く、資金集めの知識を持っていない人だと思います。
ボランティア精神でスタートするのですが、そうなると、活動資金が課題になるんです。
そういう団体にも寄付が集まりやすくなるようなことがしたいと思ってます。
コングラントを活用していろいろな子ども食堂に寄付ができるように仕組みをつくっている事例をみて、いつかこのようなことがしたいなと考えています。
ー 今後の目標を教えてください。
シ:誰か病気になった時に、その人だけでなく周りの人にも気をかける世の中に変えていきたいと思っています。
まだまだその意識が弱いので、それをどうやって盛り上げていくかが課題ですね。
直近ですと、シブリングサポーターが1000人に到達しようとしていて、その何割かは実際の支援に入ってくださるんです。
そういう形で、全国に受け皿ができるようになれば良いな、と。
清:きょうだいもサポーターもひとりぼっちにならないようにしたいです。サポーター同士のコミュニティも築き上げていきたいですね。
ー ありがとうございました!